
はじめに
入間市シルバー人材センターのサークル「オカリナの会 EEHOP(イーホップ)」は、月に2回、センターの会議室で練習を行っています。メンバーは全員オカリナ未経験からのスタート。リーダーの川邉さんを中心に、会員同士で教え合いながら練習を重ね、イベントや福祉施設での演奏を行っています。


あるとき、地域のイベントで演奏を披露した際、聴いていた高齢の女性が涙を流していたことがあったそう。
「自分たちの演奏が心に届いた」と感じたその瞬間が、メンバーにとって大きな励みになったといいます。
今回は、そんなEEHOPで活動する2名の女性にお話を伺いました。
「静」と「動」を楽しむ Mさん

MさんがEEHOPの活動に参加したのは、サークル立ち上げの時です。「お友達がオカリナをやっていて興味があったのと、ちょうどサークルができる時に誘っていただいたので、最初からなら未経験でも入りやすいかなと思って参加しました」と話します。
シルバー人材センターに登録する前は、図書館で週5日勤務していたMさん。「フルタイム勤務は体力的にもきつくなってきていたし、自分の時間もほしくて。月に10日くらいの仕事なら自分の時間ができるかなと思ってシルバーに入りました」と振り返ります。


現在はリサイクルプラザで事務と販売の仕事を担当し、手が空いたときには刺繍や裁縫で小物を作って販売することもあるそうです。また、オカリナ以外の趣味として週2回卓球クラブにも通いはじめ、未経験ながら経験者に混ざって大会に出場したというのですから驚きです。
「シルバー人材センターに入って働き方を変えたことで、自分の時間が増え、刺繍やオカリナという“静”の趣味と、卓球という“動”の趣味の両方を楽しめています」と笑顔で語るMさん。最近は犬を飼い始めたため旅行は控えているそうですが「休日にはオーディブルで本を聴きながら裁縫やリメイクをして過ごすのが楽しみ」と話します。
健康と趣味を両立する Oさん

Oさんがオカリナを始めたきっかけは、少し物忘れが増えてきたことでした。
「オカリナは指を使うから、脳のいい刺激になるかなと思って。先にサークルに入っていた友人に誘われて参加しました」と話します。
シルバー人材センターに登録してからは、家事援助(掃除や買い物)、センター事務所内でのコーディネート業務、工場勤務など、さまざまな仕事を経験しました。現在は食品加工の工場で月に10日ほど働いています。
「立ち仕事なので最初は足がパンパンになって大変でした。でも続けるうちに慣れました。最近はぜんぜん平気」と話します。仕事を通じて自然と体力がつき、健康維持にもつながっているようです。
シルバー人材センターの魅力を尋ねると、「いろんな仕事があるので、自分の好みに合ったものを選べるところかな」と笑顔を見せます。


仕事とEEHOPの活動以外にも、未経験でスタートしたフラダンス教室に週1回通っているOさん。「仕事と趣味で毎日が忙しいけれど、時間を見つけては旅行にも行っています。シルバーで働いた収入は、お友達とのランチ代や旅行の費用にあててるわ」と明るく話します。
サークルのこれから
EEHOPのリーダー・川邉さんは、サークル名に込めた思いを次のように語ります。
「“Everyone Enjoy Hobby Ocarina Performance”――みんなで楽しく、趣味としてオカリナを演奏していこう。このサークルが、音楽を通じて仲間と交流できる場になれば嬉しいです」と。
取材の前に、何曲か演奏を聞かせていただきました。どの曲もよく知っているメロディーなのに、澄んだオカリナの音が響くと、会場の空気がやわらかく包まれるような不思議な心地よさがありました。

EEHOPでは、毎年3月に開催されるシルバー人材センターの文化祭での発表に加え、年に2〜3回は地域のイベントなどでの演奏も行っています。川邉さんは今後の展望について、「現在はアルトC調管のみで演奏していますが、これからはバス管やソプラノ管も取り入れて、もっと豊かなハーモニーを奏でられるようにしたいです」と語ってくれました。
まとめ
若い頃の趣味は、自分の得意分野を伸ばしたりスキルを高めたりすることに重きを置きがちです。しかし今回インタビューに応じてくださった2人の女性をはじめEEHOPの皆さんは、新しいことや未経験のことをさらりと気負わずに始めていて、それらを心から楽しんでいました。自分らしい働き方、暮らし方を見つける秘訣は、この軽やかさにあるのかもしれません。
シルボンヌK子














